空き家の解体費用はいくら?費用が変わる理由と解体前に確認すること
この記事のポイント
- 解体費用は建物の構造・広さ・立地・残置物・アスベストで大きく変わる。必ず複数社の見積もりを比べる
- 更地にすると、翌年から土地の固定資産税が上がることがある(1月1日時点の状況で決まる)
- 解体したら1か月以内に建物の滅失登記が必要。解体の前に「売る・貸す」を決めておく
相続した実家が古く、だれも住む予定がない。そんなときに選択肢に入るのが解体(取り壊し)です。ただし解体費用は家によって大きく違い、更地にすることで税金が上がるなどの注意点もあります。
解体費用が大きく変わる5つの理由
解体費用は「坪いくら」と言われることが多いですが、実際には次の条件で大きく変わります。
- 建物の構造:木造がいちばん安く、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の順に高くなる
- 建物の広さ:延べ床面積が広いほど高くなる
- 立地:道が狭く重機やトラックが入れない、隣の家と近いなどの場合は、手作業が増えて高くなる
- 残置物:家具や家電が残っていると、その処分費が上乗せされる
- アスベスト(石綿):使われていた場合は、除去のための費用が別にかかる
ほかにも、ブロック塀・庭木・物置・井戸・浄化槽などの撤去は別料金になるのが一般的です。
見積もりは複数の業者で比べる
同じ家でも、業者によって見積もり額に差が出ることは珍しくありません。次の点をそろえて比べましょう。
- 見積もりに何が含まれているか(建物本体、付帯物、残置物、整地、廃材の運搬・処分)
- 追加費用がかかるのはどんなときか(地中から廃材などが出てきた場合など)
- 近所へのあいさつや、工事中の養生(防音・防じんシート)をしてくれるか
- 建設業の許可、または解体工事業の登録があるか
解体業者を自分で何社も探すのは大変なので、一括見積もりのサービスを使うと、地域の業者の見積もりをまとめて取り寄せられます。
解体すると固定資産税が上がることがある
家が建っている土地は「住宅用地」として、固定資産税が軽くなる特例を受けています。解体して更地になると、この特例がなくなり、土地の固定資産税が上がることがあります。
固定資産税は毎年1月1日時点の状況で決まります。年末に解体すると、翌年の1月1日には更地として扱われるため、売却の時期とあわせて解体のタイミングを考えましょう。
一方で、管理されずに傷んだ空き家は、市区町村から「管理不全空家」や「特定空家」として勧告を受けると、家が建っていても住宅用地の特例が外れます。放置するのも、税金の面ではリスクがあります(「空き家を放置するとどうなる?」)。
解体の前後に必要な手続き
| タイミング | やること |
|---|---|
| 解体の前 | 電気・ガス・水道・電話などの停止。ガスメーターなどの撤去の依頼 |
| 解体の前 | アスベストの事前調査(解体業者が行う。一定規模以上は行政への報告が必要) |
| 解体の前 | 自治体の補助金を使う場合は、契約前に申請 |
| 解体のあと | 1か月以内に建物の滅失登記を法務局に申請 |
建物の滅失登記は、建物の所有者が解体の日から1か月以内に申請しなければならないと法律で決まっています。名義が亡くなった親のままの場合は、相続人が申請できます。土地の売却を考えているなら、あわせて土地の相続登記も進めておきましょう。
解体する前に「売る・貸す」を決めておく
解体すると元には戻せません。次のような場合は、解体しないほうがよいこともあります。
- 再建築不可の土地(道路に2m以上接していないなど):一度壊すと、新しく家を建てられない
- 古家付きのままでも買い手がつきそうな地域:解体費用をかけずに売れる
- リフォームして住みたい・貸したいという買主がいる地域
迷ったら、解体の前に不動産会社に「古家付き」と「更地」の両方で査定してもらいましょう。建物があるまま買い取ってもらう方法もあります(「空き家は買取と仲介どちらで売る?」)。
更地にしたあと「売らずに活用する」選択肢も
駅や幹線道路に近い土地なら、駐車場やアパートなどで活用する方法もあります。ただし初期費用や空室のリスクもあるため、複数の会社のプランを比べてから決めましょう。
また、解体して土地だけを売る場合でも、条件を満たせば「空き家の3,000万円特別控除」を使えます。解体の前に、期限と条件を確認しておきましょう。
よくある質問
- 解体費用に補助金は使えますか?
- 古い空き家の解体に補助金を出している市区町村があります。条件や受付期間は自治体ごとに違い、工事の契約前に申請が必要なことが多いため、解体を決める前に家のある市区町村に確認しましょう。
- 家の中の荷物が残ったままでも解体を頼めますか?
- 頼める業者もありますが、家具や家電などの残置物の処分費が上乗せされます。費用を抑えたい場合は、先に片付けを済ませるか、遺品整理業者と解体業者の見積もりを比べてから決めましょう。
- 解体してから売るのと、古家付きのまま売るのはどちらがいいですか?
- 地域や建物の状態によって変わります。解体費用をかけても売れやすくなるとは限らないため、解体する前に不動産会社に「古家付き」と「更地」の両方で査定を頼んで比べるのがおすすめです。
出典・参考
この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の状況に対する法律・税務上の判断ではありません。実際の手続きは、司法書士・税理士・弁護士などの専門家や、各窓口にご確認ください。
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